妖怪之謀

妖怪之謀

「見つけると幸せになれる「幸せのみゅーさー像」っていうものがこの辺りにあるんだって」
そんな噂を耳にしてたどり着いたのは、あちこちに丸い妖怪がいる不思議な空間だった。
妖怪に見つかるとどうなるかわからない。
そっと足音を忍ばせて近くにいた鬼たちの話に耳を傾ける。
「今度の百鬼夜行で何やるか決めた？」
「みんなをびっくりさせる派手なことしたいけど、全然思いつかないよ～」
「そうそう、前回と同じじゃ芸がないし……悩ましい」
どうやら妖怪たちは、近々行われる百鬼夜行に向けて謀（はかりごと）をしているようだ。
妖怪たちがどんな計画を立てているのか気になるところだが、この隙に「幸せのみゅーさー像」を探した方がいいだろう。
……と、考えながら先に進んでいると何やら視線を感じた。
ぞくっと身震いして振り向くと、提灯に一つの目と大きな舌がついた妖怪と目が合った。
「……侵入者だ！」
提灯の妖怪はぴょんぴょんと飛び跳ね、どこかに行ってしまった。
急いで近くに身を隠して様子を伺っていると、提灯の妖怪複数体が飛び跳ねやってきた。
「あれれ、いないぞ！ ……どこかに隠れているな！」
「ふっふっふ、久々の侵入者……腕がなるぜ！ さっそく落とし穴に落としてやろう」
「近づいたら顔を嘗めまわしてや～ろう」
恐ろしいことに、妖怪たちは何かを仕掛けようと目論んでいるようだ。
果たして妖怪たちに謀られずに、「幸せのみゅーさー像」を見つけることができるのか。

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